○校外における学校行事等実施基準

昭和36年6月26日

教委訓令第3号

1 対外競技

(1) 趣旨

対外競技は、児童、生徒の心身の発達を促し、公正にして健全な社会的態度を育成するためのよい機会であるが、特に教科としての体育、クラブ活動、校内競技などの関連を十分に考慮し、学校教育の一環として実施しなければならない。

(2) 実施範囲

ア 小学校

小学校においては、対外競技は、原則として行わないものとする。ただし、親ぼく❜❜を目的とする北茨城市の区域内の隣接の学校との連合運動会は、その親ぼく❜❜という目的を逸しないかぎり実施することができる。

なお、宿泊を伴なってはならない。

イ 中学校

中学校においては、茨城県内の競技会にとどめるものとする。ただし、隣接県にまたがる競技会は、茨城県教育委員会の承認がある場合にかぎり実施することができる。

なお、なるべく宿泊は伴なわないよう留意しなければならない。

(3) 主催団体及び機関

ア 小学校

小学校の児童が参加できる連合運動会の主催者は、学校又は教育委員会とする。

イ 中学校

中学校の生徒が参加できる競技会は、教育関係団体又は機関が主催し、その責任において教育的に運営されるものに限るものとする。この場合、教育関係団体とは、日本スポーツ協会、これに加盟している競技団体及びこれに準ずる競技団体並びに学校体育スポーツ団体及びこれらの下部組織を指し、機関とは、文部科学省、教育委員会等の教育行政機関をいう。ただし、学校間の狭い範囲の競技会は、関係学校において主催することができる。

(4) 実施上の留意事項

ア 対外競技は、休業日又は授業に支障のない日に実施することを原則とする。

イ 対外競技に出場する選手は、できるだけ多くのものが参加できるよう考慮するとともに、決定に当たっては、本人の意志、健康、学業、品性等についても配慮するものとする。

ウ 対外競技に出場する選手は、あらかじめ健康診断を受けさせるとともに、出場について保護者の承諾を得るものとする。

エ 対外競技は、児童、生徒の心身の発達や性別に応じて行わなければならない。

なお、女子が参加する場合には、必ず女教師が付き添わなければならない。

オ 応援については、児童、生徒としてふさわしい態度をとるよう適切な指導をするものとする。

カ 学校を代表しないで競技会に参加する場合についても、以上の基準の趣旨を十分指導しなければならない。

2 水泳

(1) 目的

心身の発達に応じて泳法を習得させ、水泳の心得を理解し、健全な身体の育成を図る。

(2) 実施地の選定

実施地を選定するに当たっては、次の諸点に十分留意しなければならない。

ア 実施地の潮流、流速等

イ 実施地の河床、海底の状況

ウ 実施地付近の汚物、病菌の有無等

エ 実施地の川岸、海辺における地形の状態

オ 実施前及び実施中の水温

カ 従前の事故の有無

(3) 施設設備

実施にあたっては、次に掲げる施設設備のある場所を選定するか、又は学校が施設を整備することが望ましい。

ア 脱衣所 イ 湯呑所 ウ 便所 エ 救護所 オ 洗身所 カ 標識 キ 監視所 ク 救助舟及び救助用具等

(4) 実施上の留意事項

ア 児童、生徒の体力、技術に応じた無理のない指導計画をたてるものとする。

イ 参加児童、生徒については、あらかじめ学校医による健康診断を実施するとともに、特に陽転後1年以内の児童、生徒の参加については、学校医の指示を受けるものとする。

ウ 指導者は、少なくとも児童、生徒15人につき1人が当たるとともに、常に入水前後の人員の掌握と、水泳中における監視に専念しなければならない。

エ 参加児童、生徒の食物、身体上のことについて十分注意し、早期に異常の発見に努めるとともに、携行医薬品を用意しておかなければならない。

オ 校長は、実施地の保健所、海上保安部、警察署その他地元監視所等にあらかじめ連絡し、協力を求めることが望ましい。

3 キャンプ、林間学校、臨海学校及び登山

(1) 目的

野外における集団学習活動をとおし、友愛協同の社会的態度をかん❜❜養するとともに、体位の向上をはかる。

(2) 実施制限

ア 小学校

小学校においては、林間学校及び臨海学校のみを実施するものとし、キャンプ及び登山は実施してはならない。

イ 中学校

中学校においては、キャンプ、林間学校、臨海学校及び登山を実施できるものとする。

(3) 実施場所の選定

実施場所を選定するに当たっては、あまり遠隔地でなく、かつ、交通上不便でないところを選び、風紀上好ましくないところはさけるとともに、次の事項に十分留意しなければならない。

ア キャンプ及び登山

(ア) 良質の水が豊富に得られるところ

(イ) 風通しがよく、高燥地であるところ

(ウ) 害虫などがあまりいないところ

(エ) 食糧その他物資の入手運搬に便利なところ

(オ) 天候の急変、非常変災等の場合、キャンパーを収容し安全を守り易い計画のできるところ

(カ) キャンププログラムを計画し実施するにふさわしい条件の整っているところ

(キ) 実施目的にかんがみ、単なる観光地でなく、自然観察、郷土研究等学習活動のできるところ

イ 林間学校及び臨海学校

(ア) 林間、海浜、湖畔等自然観察と郷土研究等学習活動のできるところ

(イ) 宿泊を要する場合には、参加者全員を収容できる宿泊施設が完備しているところ

(4) 実施期間

小学校にあっては2泊3日、中学校にあってはそれぞれの場合3泊4日以内を限度とする。

(5) 実施時期

休業日に実施することを原則とする。

なお、冬期には実施してはならない。

(6) 実施上の留意事項

ア 実施地については事前に十分調査し、児童、生徒に対しては、知識並びに諸注意を与え、装備に万全を期するとともに、指導訓練を徹底しなければならない。

イ グループで実施する場合には、グループごとに必ず指導教師が付き添わなければならない。

なお、女子が参加する場合には、必ず女教師が付き添い、女子は女子のみのグループを編成する。

ウ 事前に、保護者に連絡し、その承諾を得るとともに、健康診断を実施し、医師の指示に従って不適格者は参加をさせないものとする。

エ 事前に、実施地の警察署、保健所等に連絡し協力を求めるものとする。

オ 悪天候その他実施上困難を伴なうような事態が生じたときは、計画を変更し、又は中止し、参加者の生命の安全に万全を期さなければならない。

カ 児童、生徒の自由意志に基づく保護者の付き添わないキャンプ等は、絶対に実施しないよう指導しなければならない。

4 遠足及び修学旅行

(1) 目的

ア 小学校

校外の自然や文化に触れさせることによって、児童に豊かな経験を与え、学校における学習活動を充実、発展させるとともに、集団行動の楽しさを感じさせる。

イ 中学校

(ア) わが国の文化、経済、産業、政治などの重要地を直接に見聞することによって、各教科その他における指導を拡充し、広い知見と豊かな情操の育成に資する。

(イ) 学校の外に出て、集団的に行動することをとおして、健康、安全、集団生活のきまり、公衆道徳などについて望ましい体験を得させる。

(ウ) 未知の世界を見聞し、あるいは、教師や学友と生活をともにすることによって、生がい❜❜の楽しい思い出を作り、学校生活の印象を豊かにさせる。

(2) 実施計画

計画の樹立に当たっては、学校の教育活動の一環として行われるものであるとの認識を常に忘れず、保護者並びに児童、生徒に過重な心身的、経済的負担がかからないよう留意するとともに、目的地及びコースの選定に当たっては、あらかじめ必要な調査、研究を行い、目的が十分達成されるよう考慮しなければならない。

(3) 実施時期

なるべく混雑する時期をさけ、楽しい旅行が実現できるよう配慮するものとする。

(4) 実施学年及び回数

遠足は、各学年とも、原則として年2回の範囲内で実施するものとする。

修学旅行は在学中1回、中学校の最終学年に実施するものとする。

(5) 実施上の留意事項

ア 旅行日数

遠足は、日帰りとする。

修学旅行は、原則として1泊2日以内で行うものとする。ただし、地域の特殊事情、利用交通機関の状況等により1泊2日の旅行が、生徒の心身に著しく影響を及ぼすと認められる場合は、これを2泊3日まで延長できるものとする。

イ 出発及び帰校時刻

学校所在地の出発及び帰校時刻は、早暁又は夜間にわたらないよう注意しなければならない。

ウ 経費

経費は極力節約をはかり、保護者の負担の軽減をはかるよう留意しなければならない。

なお、あらかじめ積立金等の方途を講じておくことが望ましい。

エ 児童、生徒の参加

児童、生徒の参加については、あらかじめ保護者の承諾を得て、大多数のものが参加できるように配慮するものとする。

オ 宿舎の選定

宿舎を選定するに当たっては、環境、収容力、構造、保健衛生などの状態について事前に十分な調査を実施しなければならない。

カ 交通機関の選定

交通機関を選定するに当たっては、事故の未然防止の立場から、その種類、所要時間、経費、安全度、信頼度等について事前に十分検討しなければならない。

キ 旅行業者の利用

旅行業者を利用して計画を樹立する場合は、旅行業法(昭和27年法律第239号)による登録の有無、業者の組織、信用度、あっ旋料金などについて十分な検討を加え、常に主体性をもって当たらねばならない。

ク 事故の防止

交通事故、食中毒、感染症、負傷、不良行為及び盗難等の事故防止については、事前に関係機関の協力を得て、万全の措置をとらなければならない。

ケ 服装、携行品

服装、携行品については、華美にわたらないように注意し、非常に際しては、敏速な行動がとれるよう事前に十分指導しなければならない。

コ 引率教師

引率教師は、適当数の教師をもってあて、校長又はこれに代わる教師が参加して全体の引率責任者とならなければならない。

なお、養護教諭は、つとめて同行することが望ましい。

サ 事前及び実施後の指導

事前及び実施後の児童、生徒に対する指導は、計画的に行い、旅行の成果が十分果せるよう努めるものとする。

(平成13年教委訓令第1号)

この訓令は、平成13年1月6日から施行する。

(平成21年教委訓令第4号)

この訓令は、公布の日から施行する。

(令和3年教委訓令第1号)

この訓令は、公布の日から施行する。

校外における学校行事等実施基準

昭和36年6月26日 教育委員会訓令第3号

(令和3年1月21日施行)

体系情報
第8編 育/第2章 学校教育
沿革情報
昭和36年6月26日 教育委員会訓令第3号
平成13年1月5日 教育委員会訓令第1号
平成21年5月21日 教育委員会訓令第4号
令和3年1月21日 教育委員会訓令第1号