北茨城市のジオサイトを知る。

2016年10月25日

5億年の時を超えて~茨城県北ジオパーク~

 当ジオパークは、5億年にわたる年月がつくり上げた多様な地質を主な見どころとしています。

 激しい波の侵食がつくり上げたジオの景観を、岡倉天心が愛でた五浦海岸のシンボル六角堂を中心に、日本の近代日本美術発展の拠点として自然と芸術を結びつけて堪能したり、花貫渓谷や袋田の滝など、河川の流れが生んだ地形とそこに広がる美しい自然景観が楽しめます。

 ここでは、五浦海岸ジオサイトと常磐炭田ジオサイトを紹介します。

  

五浦海岸ジオサイト

 この土地は、人類が誕生するよりずっと前の時代は、深い海でした。海底で砂や泥が溜まって、固まり、大地の変動によって海から姿を現し陸地になりました。そして、長い時間をかけて海岸沿いの崖が侵食され、変化に富んだ5つの入り江ができ、雄大な景観を創り出しています。

見どころ

 近代日本美術の発展に大きく貢献した岡倉天心は、この地の眺めに心を奪われ、自邸から続く海に突き出た断崖の上に、赤い六角堂を建てました。2011年の東日本大震災の津波により流失してしまいましたが、茨城大学を中心に修復作業が進められ、創建当時の姿に再建されました。

 また、平成26年3月「岡倉天心旧宅・庭園および大五浦・小五浦」が国の登録記念物(名勝地・遺跡関係)に認定されました。なお、茨城県の記念物が国登録となるのは、初めての事例です。

 名実ともに、北茨城が誇る名勝地となった五浦海岸から目が離せません。 

 

 

 


○六角堂

  五浦海岸の茨城大学五浦美術文化研究所内にあり、天心が思索にふけったところと言われ、緑の松林を背後に、前には五つの浦がひらけ、太平洋の白波が砕け散る。その雄大な姿は訪れる人々に感銘を与えています。

●入館料 :高校生以上300円(団体20名以上250円)
●開館時間:8時30分~17時00分(入館は16時30分まで)*ただし、季節によって開館時間が異なりますのでご注意ください。
●休館日 :月曜日(祝日の場合は翌日)
●所在地 :茨城県北茨城市大津町五浦727-2
●問合せ先:0293-46-0766


 

 

地質観光マップ【五浦海岸】表(茨城大学地質情報活用プロジェクト作成).jpg(979KB)
地質観光マップ【五浦海岸】裏(茨城大学地質情報活用プロジェクト作成).jpg(1MB)

 

常磐炭田ジオサイト

 茨城県北から福島県南東部にかけての常磐地域には、「石炭」を含んだ地層が分布しています。常磐炭田の炭は、硫黄分を多く含む低品位な炭でしたが、「首都圏に最も近い炭鉱」として商品価値は高くなり、重要なエネルギー源として日本の発展を支えました。しかし、エネルギー革命や公害問題により、1985年にはすべての炭鉱が閉山しました。

磐炭田の成り立ち

 今から4000万~3000万年頃前、当市には海岸沿いに豊かな森や湿原が広がり、その中を川が流れていました。

 河口付近・湿原や干潟・川の流れに応じて、決まった環境で決まった堆積物がたまることで、整然とした地層が出来上がります。さらに、川はしばしば流路を変化させ、それまで湿地だったところに川が流れるようになり、泥や炭質物の上に砂が堆積します。このようなことが繰り返され、輪廻層が出来上がりました。

 通常、植物は堆積後に生物によって分解されますが、水中や湿地等、酸素の少ない場所に堆積した植物遺体は、生物分解がされることなく、地熱やバクテリア等の影響を受けることで炭素のみが蓄積されて石炭となりました。

見どころ

○中郷鉱跡と産業遺跡

 県道10号線と299号線の交差点付近にあるコンクリート造りの複数の建造物が中郷鉱跡です。
 中郷鉱は、昭和46年まで採鉱をしていた北茨城を代表する炭鉱でした。周辺地域には、石炭の運び出しをしていた施設や炭鉱世話所跡等が見られます。


 ○石炭層と輪廻層

 磯原町木皿の明徳小近くの上木皿バス停付近で、道路の両端に石炭層を含む地層を見ることができます。石炭層は数枚見ることができ、砂岩層と泥岩層と共に繰り返し重なっています。


○浄蓮寺の観音像と花こう岩・変成岩

 浄蓮寺渓谷には、石を彫刻して作られた計33体の観音像があります。観音像の素材になっている白っぽい石は〔花こう岩〕といい、マグマが地下でゆっくり冷えて固まった岩石です。浄蓮寺渓谷沿いには、この花こう岩のほか、黒っぽい色をした岩石も見ることができます。これは〔変成岩〕といい、地下で火成岩や堆積岩が熱や圧力により性質が変わってできた岩石です。花こう岩や変成岩は硬く、削られにくいため、滝や渓谷ができやすいという特徴があります。


○二ツ島

 磯原海岸に突き出た島とその隣に顔を出す岩塊、これが当市の観光名所にもなっている二ツ島です。
 これらはもとあった地層が波によって削られ波食崖になったものが、さらに削られ、島として取り残されたものです。
 二ツ島は、主に砂岩からなり、ホテル駐車場わきの崖では、砂岩層に炭化木や生物が掘った巣穴の化石(生痕化石)、砂がたまるときにできた模様(斜交層理)などが見られます。

 


 

地質観光マップ【常磐炭田】表(茨城大学地質情報活用プロジェクト作成).jpg(1MB)
地質観光マップ【常磐炭田】裏(茨城大学地質情報活用プロジェクト作成).jpg(1MB)

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